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2010/01/12

[映]アムリタ/野崎まど

4048682695[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
アスキー・メディアワークス 2009-12-16

by G-Tools


あらすじ

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。最初はその天才という呼び名に半信半疑だったものの、二見は彼女のコンテを読み始めた直後にその魅力にとりつかれ、なんと二日以上もの間読み続けてしまう。彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が二見を撮影へのめりこませていく。そしてついに映画は完成するのだが―。第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作。



レビュー

天才監督と凡庸役者の活動写真。

芸大で自主制作映画を撮る話。冒頭から世界に引き込まれた。私は本を読むときに付箋を使う。気になった箇所にベタベタと貼るのだ。この本に使った付箋は、普段読む本の3倍は在ったかもしれない。もしかしたらそれ以上かもしれない。それほどまでに気になる部分が多かった。感銘を受けた部分も多いのだが。それと同時に己の中で解釈を仕切れない部分も多かった。

天才という存在は扱うのが難しい。凡庸な人間には天才の思考は理解できないからだ。この作品の天才・最原最早が、それだ。理解が及ばない。それはこの物語の主人公も同じ事だろう。理解したつもりで天才で挑んだ所で、天才と同じフィールドには立てるはずもない。天才というカードが物語りの中で切られたら、凡才は何もできなくなるだろう。天才に踊らされるだけなのだ。

最初はこの物語を青春小説だと認識したのだが。読み進める内に、その印象がコロコロと変わった。ミステリのようになり、SFのようになり、オカルトファンタジーのようになり。私の思考はあちらこちらへと飛ばされた。読み終わった時には混乱していた。そして純粋な恐怖が生まれた。
一概にこれだ、とジャンルを確定するのは難しい。私の中でも暫く結論は出ないだろう。ずっと出ないのかもしれない。
この小説は凡庸な役者が、天才の掌の上で踊らされた喜劇なのだろうか。それとも天才と凡才による、純粋な愛の物語なのだろうか。私には上手く説明できないようだ。

これまで私が読んだ本の中にも、幾人かの天才が登場した。それらの天才達は、未だに私の心の中で暗躍している。私に希望を与えたり、絶望を与えたりしているのだ。
最原最早という天才も、そういった存在になってしまうだろう。彼女も紛う事無き天才なのだから。
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□MW文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
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