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2010/01/20

ヘヴィーオブジェクト/鎌池和馬

4048680692ヘヴィーオブジェクト (電撃文庫)
凪良
アスキー・メディアワークス 2009-10-10

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結局、戦争はなくならなかった。でも、変化はあった。くだらない殺し合いが淡々と続く中にも、変化はあった。超大型兵器オブジェクト。それが、戦争の全てを変えた。戦場に派遣留学した学生・クウェンサーは、整備基地で、奇妙な雰囲気を持つ少女と出会う。その少女は『エリート』と呼ばれていた―『オブジェクト』のパイロットとして。近い将来。このちっぽけな少年は、少女のために、最強の兵器『オブジェクト』へと、生身で立ち向かうことになる。これは、そのきっかけとなる出会いだった―。



巨大兵器をぶっ潰せ! 生身で!?

鎌池和馬氏のデビュー以来となる新シリーズ。アニメ化やスピンオフ作品が脚光を浴びている「とある魔術の禁書目録」の作者です。
良い感じの巨大ロボものだったのではないかと考えます。よくある巨大ロボは人型になってしまいますが、今作の巨大ロボは圧倒的なまでの機能美を追及した兵器。オブジェクトという名の兵器です。

オブジェクトとオブジェクトがぶつかり合うのが常識の戦場において、ちっぽけな人間がその全長50メートル級の兵器に挑むのは、熱い展開だった。
少年兵2人が常識では考えられないような功績を上げる。戦争という中に置いての功績というのは、リアルに描くとどうしても物悲しいものになってしまいがちです。今作では勧善懲悪を全面に押し出していたので、戦争の悲惨・苛酷を突きつけられる事は在りませんでした。ただただ純粋に少年兵が敵を倒すという爽快感が味わえた。ティーンズ・ノベルらしい善い出来です。

少し気になったのはヒロインの扱い。鎌池和馬氏の別シリーズでも云える事なのですが。お話が進んで行くに従い、ヒロインの影がどんどんと薄くなっていくような気がするのですよ。それが違和感になってしまった。作者はヒロインを冷遇するのが好きなんでしょうか。私は鎌池和馬氏にお会いした事も、お話した事も在りませんので、事の真相は分かりかねます。
ただせっかくの魅力的なヒロインを生かせていないのは頂けないのではないでしょうか。それとも少年兵2人が仲良くする様を強調したかったのでしょうか。確かに彼ら2人の友情は熱いものが在りました。しかし友情は友情です。そこから先に発展する何かを邪推するのは、どうしたものかと。

この物語の設定は、料理次第では如何様にも化けるはずです。ですから続きがもしも出るのであれば、今後の出来は作者の腕次第になるわけです。この物語が発展・昇華する様を見てみたいです。
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□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/10

デュラララ!!×7 /成田良悟

4048682768デュラララ!!×7 (電撃文庫)
ヤスダ スズヒト
アスキーメディアワークス 2010-01-10

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あらすじ

「僕は何もしてないよ。あれは、ダラーズみんなでやった事だから―」東京・池袋。この街の休日はまだ終わらない。臨也が何者かに刺された翌日、池袋には事件の傷痕が未だに生々しく残っていた。すれ違うことなく街を徘徊するクラスメイトの男女、弟に付きまとう女の動向を窺う姉、最強の男を殺すために強くなろうとする少女、兄のことなど気にせずひたすら無邪気な双子、今後の自分を憂い続けるロシア出身の女性、過去の未練にしがみつくヤクザな男、休日を満喫しようと旅行に出た闇医者、そして安心しきりの首なしライダーは―。さあ、みんな一緒に、デュラララ!!×7。



レビュー

収束しない群像劇。短編集とも云う。折原臨也の人間賛歌。

この作品を読んでいて、1つ考えた事が在る。
越佐大橋シリーズ・デュラララ!!シリーズあたりを読んでいると考えてしまう。成田良悟氏は、ユビキタス・コミュニケーションを面白い具合に表現しているのではないかと。
ライトノベルという存在を軽視する人もいるけど。時代の流れを汲んだ、ある意味においては、今らしい小説が生み出されるのも事実ではないだろうか。 ライトノベルは小説に足り得るのか、という話題を耳にしたばかりなので。そのような事を考えた。ライトノベルが、どうのこうの、という話題を置いておいてもだ。成田良悟氏の作品では、ユビキタス社会を上手い具合に表現している、と感じる。現実味が在るのだ。
今現在実現しており、日常生活に浸透しているコミュニケーション・ツール。それらを巧みに操り、物語の根幹と成している。携帯やネットを使うことによる、情報の交錯に現実味が在るのだ。近親感が湧く、とでも云えば良いのだろうか。

シリーズの第7巻を読んで。改めて認識した事が在る。これは愛の物語なのだと。歪んだ愛の物語だ。
スポットが当たらないだけで。深い愛を謳歌している登場人物が多い事を再認識させられた。勿論、それだけで今巻のお話が終わるわけではないが。
成田良悟氏お得意の収束感が味わえ無かった。収束しない群像劇。正しい認識を持って挑めば、短編集と云えば良い。ほとんど独立した話が収録されていたのだから。愛の話だったり、ヤクザ屋さんの話だったり、取り立て屋の話だったり、また愛の話だったり。最終的には折原臨也の人間賛歌。
池袋という狭い空間を描いているのに。この作品の面白味は減らないようだ。まだまだ破天荒な混乱を見せてくれそうである。

毎回思うことだが。遊馬崎と狩沢の会話には考えさせられる。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/09

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 8 日常の価値は非凡/入間人間

4048680080嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈8〉日常の価値は非凡 (電撃文庫)

アスキーメディアワークス 2009-09-10

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あらすじ

これは、僕とまーちゃんの平穏無事で素敵なバカンス……? ほんさくのとうじょうじんぶつです。みどりのぼうしのたんていのひと(ろりこん)。ろりこんぎらいのおんなのこ。おかしなおじさん。じさつしたあねをもつひと。しょしんしゃなかつぷる。ねこずきさっか。きんぱつあおすーつのひと。きれいなこわいおんなのひと。ばかんすでやってきた、うみがちかくにあるほてるにて。だれがしんで。だれがしなないか。僕とまーちやんは、知らない



レビュー

この物語において、みーまーちゃんの活躍は皆無である。

いつもは人の生き死にを扱う最前線におられますお二方ですが。今回はあまり目立った物語への介入が無かった。
ある意味では、みーまーちゃんにとっては最良のバカンスだと云える。祝日・長期休暇も関係なしの、ある意味罰が当たっても良さそうなバカンスなのだが。平和な時間を過ごした、と云える。みーまーちゃんに限った話ならばだが。

みーまーちゃんが、平和な旅行を楽しんでいる裏では、壮絶な事件が巻き起こっていた。複雑に絡み合う、人と人。各々が目的を持って訪れた、とあるホテルのワンフロア。ワンフロア、という狭い空間での出来事に絞って語られているのに、予想外の出来事が連続する。次々と提出される誰某の思惑。多種多様な思惑が織り交ざっての混沌と混乱が繰り広げられていた。そんな事件が起きているにも関わらず。平和な時間を過ごしたみーまーちゃんは、この物語の主役、としてどうなのかと思った。だが偶にはこういう指向も悪くない。事実楽しめた。

みーまーちゃんが活躍しない代わりに、沢山の新規参入キャラの皆さんが登場なされた。どの新キャラも、何かしらの作品で主人公を演じても可笑しくないくらいにはクセが在った。自殺志願者だり、ロリコン探偵だり、更には別の作品のキャラクターの影までが見えてしまった気がする。
クセの在るキャラクター達が、各々の目的のために絡み合う姿は、見ている分には滑稽だった。もし巻き込まれたら、相当悲惨である。

普段はみーくん、という僕が語る一人称の物語だが。今回は視点がコロコロと変わった。ある意味において分かりやすい形の群像劇。多視点からなるミステリとも云える。
クセのあるキャラが立ち回る姿は、読んでいて面白い。だが読者を驚かせるような奇抜性が若干弱かった気がする。終盤の意外性に、もう少しの工夫が欲しかった気がする。

世界は中学生で廻っている。そんな言葉を思い出した。ロリコン探偵のお蔭だと推測する。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/08

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』―記憶の形成は作為/入間人間

4048678442嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』―記憶の形成は作為 (電撃文庫)
アスキーメディアワークス 2009-06-10

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あらすじ

むかしのことを考えると頭の中が深夜のテレビみたいにノイズだらけになるさっこん、いかがお過ごしでしょうか。これは、ぼくがまだ僕になる前の話だ。家庭内にぎやか事件のあと、ぼくはいろんな人と出会った。恋日先生、じさつ志願者、いじめっ子少女、にもうと、そして、マユちゃん。みんな(とくにマユちゃん)の純粋むくな姿がめじろおしでおとどけなのである。…むかしのぼくは正直ものだったんだよね。うそだけど…今度、じしょでうそって字を調べとこう。



レビュー

妹っていう生き物がなんなのかも、分かる気がしなかった。

みーくんの過去にスポットを当てた、貴重な短編集。
みーまーちゃんの今までのシリーズは、過去に何が在った、とは匂わせるのだが、いかんせん詳しい内容には触れていなかった。その内容が、今回の短編集では少し語られた。みーくん、というこの物語の主人公の内面を理解していくための、貴重な判断材料となり得る。完璧に理解することはできないにしても、ある程度の考察ができるくらいには資料が与えられたわけだ。

何だろうか。あまり良い気分になる内容ではない。云ってしまえば、気分が悪くなるような。人間の嫌な部分だけを凝縮して描いているような作品だ。この作品は悪意に満ちている。
だが読む事を止めようとは思わない。何かしらの面白味が在るようだ。詳しくは記す事ができない。私の中でもハッキリと定まっていないのだ。

気分が悪くなるような作品なのにも関わらず。登場するキャラクター達は、何故か魅力的だ。何かしらの穢れてきなものが、彼らを美しく見せているのだろうか。いつ壊れても可笑しくない存在だからこそ、絶えず輝き続ける事ができるのかもしれない。ある意味に置いては、とても精密なバランスの元に、この物語は進行しているような気がする。一歩間違えただけで、即消滅してしまいそうなのだ。不完全なキャラクター達が、不完全な物語を支えている、とでも云えばいいのだろうか。

この作品の魅力は、あまり他人事とは云えない部分にもあるのかもしれない。人間は脆い生き物だ。いつこの作品の中の登場人物のような壊れた人間になってしまうか分からない。忌避すべき存在なのに、その存在に惹きつけられる。そら恐ろしい話だ。お手本にしてはいけない形を望んでしまうようになるのだから。事実、私がそうだ。この物語の続きを読みたいと渇望してしまう。

取り敢えずだ。にもうとが可愛かった。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/07

ソードアート・オンライン 3/川原礫

4048681931ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
abec
アスキーメディアワークス 2009-12-10

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あらすじ

禁断のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』から現実世界に戻ってきたキリト。彼は攻略パートナーであり、想い人でもあるアスナのもとに向かう。しかし、結城明日奈は、あの悪夢のゲームからまだ帰還していなかった。困惑と絶望に包まれるキリト。唯一の手がかりは、鳥篭の中で佇む“妖精姿”のアスナという謎の画像データのみ。どうやら彼女は、高スペックVRMMO“アルヴヘイム・オンライン”というゲーム内に囚われているらしい。キリトはアスナを救うため、飛翔する妖精プレイヤーたちが交錯する“ALO”に飛び込んでいく…!!WEB上でも屈指の人気を誇った『フェアリィ・ダンス』編、スタート。



レビュー

「いつまで待っても無駄よ。あなたにあげるのは軽蔑と嫌悪、それだけだわ」

SAOシリーズの3作目。とうとうSAOクリア後の世界が描かれ始めた。
SAO、というタイトルを関してはいるが。今回から登場人物たちが攻略を進めているのは、アルヴヘイム・オンライン(以下ALO)、という新しいVRMMORPG。

前回のゲームであるSAOでは、ベータテスター、という立ち位置だったキリト。その立場を生かし。ソロの攻略プレイヤーとして活躍していた。今回はベータテスターでも何でもない立場から、サーバーが稼動して1年以上が経過したALOの世界に突然に放り込まれたキリト。普通ならばどうする事もできないような、現役プレイヤーとの壁が生まれるはずだが。諸々の事情でSAOにシステムデータがALOに移行されていたわけで。キリトは恙無く物語を進める事ができたわけだ。

2巻を読み終えて考えた事が在ります。SAO、というタイトルを冠したゲームをクリアしてしまったのだから、もうお話は終わりなのではないだろうか、と。しかし3巻を読み終えて、その心配は無くなりました。SAOシリーズは、まだまだ続きます。ALOへと舞台を変えましたが。キリトの闘いは終わっていないのです。アスナを助け出す、その日までは。
だがまだ不安事項は在りました。SAOという死のゲームと比べてしまうと、ALOは温いのではないかと。プレイヤーが死んだ所で、現実の肉体も死を迎えるわけではありませんし。いささか緊張感に欠けてしまうのではないかと。しかしその不安も払拭されました。本編中の橋上の戦闘では涙を流してしまったほどです。

キリトは2年もの間、VRMMORPGの世界に閉じ込められていました。その世界が現実だったのです。その世界の死が、己の死に繋がる。紛う事なき現実です。
その時に体験した悲しみを背負っているのが、キリトです。VRの世界に相対して、喜びや悲しみを味わってきたわけです。そんな彼だからこそ、VR=偽者、という図式を単純に受け止める事ができないのかもしれない。そういった観点から考えていくと。先程云ったような涙を誘うような出来事も起きます。
死ぬ事のないゲームだからといって。そこに感動が生まれないわけじゃない。そういった事を教えてくれる3巻でした。

しかしハーレム短編集の後は義理の妹ですか。キリトの魔の手はどこまで広がるのやら。
最後に1つだけ言わせて頂きますと。サラマンダーの焼肉は食べたくない。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/06

電波女と青春男 3/入間人間

4048681389電波女と青春男 3 (電撃文庫 い 9-12)
ブリキ
アスキー・メディアワークス 2009-11-10

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あらすじ

宇宙人が見守る街で『未知との遭遇』をした……のか? えーと今度はなんなんだろう。とっても電波な女の子・藤和エリオの前に鎮座ましますは、宇宙服を着込んだ謎の少女(たぶん。声色で判断)。ヤシロと名乗るその宇宙服女は、「この星には観光ではなくビジネスで来た」とかなんとか言って、俺たちの行く先々に登場してくる。えー、前川さんと野球したり、リュウシさんのバスケ観たり、いろいろやることあるのになぁ……。エリオと過ごす今年の夏は、退屈なんて感じなさそうだな。宇宙人が見守る街でささやかにお届けする青春ラブコメ、なのかなぁ、これ?




レビュー

宇宙服は伊達じゃない!

電波女と青春男。略して電波男。そのシリーズ3作目。
この物語の根幹を揺るがす衝撃的な出来事が起こった。今までは、現代を舞台にした作品であり。そしてリアリティのある作品だった。リアリティ、という言葉を使ったのは、魔法や超能力が存在しなかったためである。しかしこの3作目にして。超常現象の類が存在するかもしれない、という疑惑が生まれた。
疑惑であり確証ではない。次の巻での出方を待つしかないのが、現状だ。

入間人間の作品は、電撃文庫・MW文庫の作品に絞った話をさせて頂くならば。全部の作品がリンクしているような描写が在る。その点を踏まえるとだ。ここで超能力の類を認めてしまうと、別の作品への印象が変わってしまう恐れが在るのだ。正直、私はそういう事態を忌避している。
だがまあ最初から宇宙人だの何だのと云っている作品であるわけで。あまりそういう邪推な思考を進めていくのも、益のない話だ。純粋に物語を楽しませてもらう、としよう。

相変わらず前川さんのコスプレが笑いのツボを突く。登場するたんびにニヤニヤ、としてしまう。迂闊に外で読むのは危険な類の本だ。
前川さんのコスプレも奇抜だが。今回はそれに引けを取らない格好の人物が現れた。平和な街中に宇宙服姿の人間が闊歩しているのだ。入間人間のこのセンスは嫌いじゃない。
電波女と青春男、という作品を初めて読んだ時にも、歪な格好の者に出会った。布団で簀巻きになっているアレである。しかしその実体は美少女だったわけで。そこがライトノベルらしいとも云える。出てきて欲しいものが出る。夢の読み物だ。
日常には似つかわしくない異質なもの。そんな異質なものから、素敵なものが出てくるのは、このシリーズの伝統なのだろか。宇宙服の中からも、案の定に美少女が出てきたわけで。

宇宙服の中の美少女。星宮社は、自分を超能力者だと呼称した。その事が、この記事の冒頭で触れた事に関わってくる。終盤で実際に超能力らしき行動を実証してしまったのだ。詳しく説明されるままに、この巻は幕を引いてしまったわけで。それ故に、私の中ではモヤモヤ、としている。
果たして電波女は、本当に電波なのだろうか。青春男の青春が虚偽なのかもしれない。世界には異質なものが溢れ。とある観測者には電波に見えても、それは日常茶飯事な出来事なのかもしれない。いろいろ考察していくと、このシリーズの続きを読むのが、本当に楽しみになってくる。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/05

ソードアート・オンライン 2/川原礫

404867935Xソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド (電撃文庫)
abec
アスキーメディアワークス 2009-08-10

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あらすじ

クリアするまで脱出不可能のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』に接続した主人公・キリト。最上階層を目指す“攻略組”の彼以外にも、様々な職業や考え方を持つプレイヤーがそこには存在していた。彼女たちはログアウト不可能という苛烈な状況下でも、生き生きと暮らし、喜び笑い、そして時には泣いて、ただ“ゲーム”を楽しんでいた。“ビーストテイマー”のシリカ、“鍛冶屋”の女店主・リズベット、謎の幼女・ユイ、そして黒い剣士が忘れることの出来ない少女・サチ―。ソロプレイヤー・キリトが彼女たちと交わした、四つのエピソードを、今紐解く。


レビュー

キリトさんのハーレム短編集

元々はネットで話題の小説だったらしく。刊行前から注目の的だったソードアート・オンライン。実際の所、ソードアート・オンラインとアクセル・ワールドは、どちらの方が評価が高いのでしょうか。あまりそういった事を調べた事がないので、詳しくは分かりません。
まあ何にせよ。あまりそういった色眼鏡に頼って作品を見るのはよくありませんね。何が良くて、何が良くないのか。結局の所、それは個人の主観で決定されてしまう事象ですから。じゃあ感想を書く行為自体が無駄じゃないか、という疑問が生まれる訳ですが。その辺は考え出すと難しい話なので、止めましょう。
このブログの左上の方にも書いて在ります通り、「日々劣化する頭から、折角読んだ本を忘れないようにするためのレビュー行為weblog。」、というのを心情にやっておりますので。本の評価だ、宣伝だ、というのは置いておきましょう。
話が逸れてしまいました。軌道修正いたしましょう。

ソードアート・オンラインのシリーズ第2巻です。前回、無事にソート・アート・オンライン、という死のゲームをめでたくクリアした訳ですが。第2巻の今作では、ゲームのクリア後のお話を描いた訳ではありません。第1作では語られる事の無かった、キリトがソードアート・オンライン、というVRMMORPGの世界で体験した4つの出来事に焦点を当てた物語。4つの短編から構成された1冊にまとまっておりました。

取り敢えず最初に一言だけ云わせてもらうならば。何だこのハーレム・ルートは。
キリトさんがソードアート・オンラインの中でハレームを形成していった、ある種の年代記ですよ。そうです。クロニクルです。
MMORPGの日常生活に視点を当てているのは面白い所。こういった剣や魔物が現れる世界、というのは冒険活劇的なものになりがちですからね。ファンタジーの世界を舞台にした作品で、日常生活を描く事に重きを置いた作品、と云えば。私ですと、狼と香辛料、あたりを連想します。しかしソードアート・オンラインの話をすると。この作品は狼と香辛料ほどに、マッタリとしている訳ではない。一応には主人公の職業は剣士なので。向こうの作品ほどに穏健な内容では在りません。

ユイを巡るお話が、個人的には好きだった。
何だろう。娘的なものに憧れでもあるのだろうか。何にせよ胸を打つ話だった。

最前線を描かないお蔭が在るのだろうが。キリトのスキルが高く、ここでは死なないだろう、という安心感が在った。だから安心してほんわかした雰囲気を楽しめた。
4つ目の短編である「赤鼻のトナカイ」では、そういったほんわかした雰囲気は在りませんでした。キリトがソードアート・オンラインの中に残した悔恨が辛かった。彼の苦しみや後悔を知ってしまった訳で。こうした今の気持ちで、第1作目を読み直せば、また違った解釈ができる気がする。

何にせよ、この第二作でソードアート・オンラインの世界のお話は終了。
次作では、いよいよゲーム・クリア後の物語が描かれるらしい。果たしてどのような内容になるのだろうか。ゲームをクリアをしてしまった訳だから。後はキリトとアスナがくっ付けば善いような気がするのですけどね。全く持って先が想像できません。訂正です。この先どのような事象を描けば話が面白くなるか分からない、とでも云えばいいのでしょうか。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2010/01/03

我が家のお稲荷さま。 6/柴村仁

4840236046我が家のお稲荷さま。〈6〉 (電撃文庫)
メディアワークス 2006-11

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あらすじ

冬休みのある日。ひと助けと無料ケーキを目的に、ミニスカのコスチュームに身を包み、ケーキ屋さんの客引きをするクーとコウ。一方その頃、昇は見知らぬ黒ずくめの人物に「やっほー」と声をかけられ、鈴ノ瀬の町を案内していた。そしてさらに、透とコウはお金持ちそうな老人と知り合い、お屋敷に招待されて…。全く関係なさそうなそんな出来事が、思いがけない方向へと…。でもやっぱりほのぼのな、現代のお伽噺第6弾。



レビュー

「だってレンさんが倒れてるのって、オレが案内してオレと歩いた道ばっかなんだもんなあ」

相も変わらずな、のほほんとした雰囲気の今シリーズ。それがいいんですけどね。
1章がAサイドとBサイドに分かれていて、何やら群像劇的な演出。良いですね群像劇。私の大好きなジャンルです。

群像劇というものは、最初から最後までドタバタした印象を、私は持っているのですが。今作は、私のそんな印象を綺麗に打ち消してくれました。最初から最後までのほほんとした空気で流れて、のほほんとボスキャラをやっつけてしまいました。そういう所が、「我が家のお稲荷さまシリーズ」の魅力だとは思いますけど。あまりにも切羽詰りすぎたら、それは別の作品になってしまう気がします。

岩薙はあれですよね。斬れないものがない、というよりも、会話にキレがない。もうちょっと自信を持ってもいいのではないでしょうか。立派な妖刀なんですから。ですが禍々しい妖刀が、加害妄想の女の子、というのもギャップ萌え要素になり得るのかもしれません。
何にせよ、彼女はよく笑うようになった。それが今作で一番の僥倖。
唯1つ心残りなのは。そんな彼女の素敵な笑顔の1枚絵が無かった事。キョドってる絵も可愛かったですけどね。


□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/12/01

世界の中心、針山さん 3/成田良悟

4048680749世界の中心、針山さん〈3〉 (電撃文庫)
アスキーメディアワークス 2009-10-10

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あらすじ

彼の名前は針山真吉。眼鏡をかけて憎めない顔で、他に特徴は──特になし。涙もろいことを必至に隠そうとする姉と疑うことを知らないやんちゃな弟を持つ、ごくごく一般的な四人家族の世帯主である。
 そんないたって普通な針山さんが住む所沢市では、毎度毎度様々な出来事が起きている。竹から生まれたかぐや姫がなぜか忍パンダとショーを繰り広げたり、巨大ロボに乗るという昔からの夢を叶えるために工場長まで上りつめたり、気づけば黒服&サングラスという都市伝説みたいな格好で記憶を失っていたり──。世界の中心は、今日も忙しいのだ。



レビュー

何故か針山さんの周りでは可笑しな出来事が起きる、という短編集の3作目。今回はそれぞれの短編がリンクしたメドレーがないので、成田良悟がお得意の収束感は特になし。
・なよ武の姫君は伝奇パンダの夢を見るか 前編・後編
・工場長のドリームチェイス
・としれじぇ3~メン・イン・ブラックの閻魔帳~
・子供の中心、針山くん

収録作品は大きく分けて、この4つ。「子供の中心、針山くん」は平凡な針山さん一家を軽く描写しただけなので、実際は3話分。

いやはや、久しぶりの針山さんでした。電撃hpと電撃文庫MAGAZINEをチェックしてなかったので、二年ぶりくらいの針山さんですかね。
相変わらず奇抜な短編集というか、何というか。このシリーズはあれですね、常に新ジャンルを発掘しているかのようなノリですね。どこかにあるような話を匂わせるんだけど、そんな事は全然なくて、予想外の連続。かといって破綻しているわけでもない。そんな安定した面白さ。
と、まあ、ベタ褒めなのは、私が成田良悟が大好きだから、という色眼鏡。ですが、ファン目線抜きにしても、この奇抜なライトノベルは一読の価値があります。

個人的には工場長の話が1番のお気に入り。こんなロボットものも、偶にはいいもんです。工場長の話の後にとしれじぇを読んだら、恐怖のどん底に落とされたり。まったく、1冊でいろんな味がありすぎですね。
□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/05

ラジオガール・ウィズ・ジャミング

2009060501ラジオガール・ウィズ・ジャミング (電撃文庫 (1288))
深山 森
メディアワークス 2006-07

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あらすじ

あらゆるメディア展開が禁じられている街の夜を、機材(アンテナ)を抱えて駆ける少女・レコリス。なんと彼女は、禁じられたラジオ放送を市民のみんなに届ける、J・O・L(ジャック・オー・ランターン) 海賊放送局の一員なのです!でも、軍の妨害や街全体を巻き込んだ大変な事件に巻き込まれ……!?



レビュー

あしたはきっと、はれるでしょう。

戦災復興がようやく一段落した世界のお話。
メディアが規制されたシムカベル市。そんな中「JOL海賊放送」はラジオ放送を続ける。


素直に感動してしまった。捻くれた価値観に定評のある私だと自負しております。だが泣いてしまった。
電波に乗った声も、人の声である事に代わりはなく。それは隣で誰かが囁いてくれているのと同義なのかな。レコリスの声は、いつまでもみんなの糧になるはず。
ラノベサイトの感想を梯子して評価が高かったので、何とはなしに読んだのだけど、読んで良かった。
この作品は第12回電撃小説大賞の最終選考に残ったものが、後に出版されたらしい。第12回といえば、大賞の「お留守バンシー」、「狼と香辛料」の支倉凍砂、そして杉井光。激戦区ですね。個人的にお留守バンシーの大賞に疑問を持ってたりした記憶があります。06年の話ですから、何とも曖昧な記憶ですが。


この作品は綺麗に1冊で纏まっているので、続刊が出ないのは、まあいいのですが。未だに、この作者の新刊は出ておらず。この先、この先生の本は読めないのかなぁ、と。
第11回の銀賞受賞作「奇蹟の表現」の結城充考は、最近になってミステリーで復活したみたいですが。そちらも機会があれば感想を書きたいです。ラノベじゃないですけど、元ラノベ作家のよしみということで。


評価:★★★★★

宜しかったら押してください。やる気でます。


□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/05/30

学園キノ

4840234825学園キノ (電撃文庫 (1283))
時雨沢 恵一
メディアワークス 2006-07-10

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あらすじ

木乃は言葉を話す携帯ストラップ・エルメスと学園生活を楽しむ、ごく普通の女子高生。
だが、その正体は銃を武器に魔物と戦う正義の味方だった!
学園一のモテ男・静先輩も登場し、青春街道まっしぐら!?
『キノの旅』 のキャラクターが別の世界観と設定で大活躍する学園コメディ!
―― キノファンは覚悟して読むべし?



レビュー

かわいさ倍増 不真面目さ倍増

何度か読もうとしていて、今日まで読むことがなかった。本家の「キノの旅」自体も、ちゃんと全部に目を通しているわけじゃありませんので。これを読むのは、どうなのかなー、と。
読んだ感想を率直に述べると、すごく面白かった。キノが超大好きになった。ただこれを読んでキノを大好きになっていいものなのか。大人しく本家の「キノの旅」も読むとしましょうか。二巻で止まってますし。


これはキノの旅なんかじゃない、と大きく注意書きがあるように。キノの旅とは一切関係のない内容。本文中で正当な続編であるかのような表現があるが、それはミスリード。騙されていると分かっていながらも楽しむ、大人の味、とかいうヤツです。たぶん。
学園キノで、私が大好きになったのは、あくまで木乃。だからキノなんかじゃないんです。でっかい間違いです。重要です。ですが私は昨年にグットスマイル・カンパニーから出たキノのフィギュアを注文しそうになっている、今日この頃。


世の中には良い電波と悪い電波があります。これは良い電波です。青少年に素晴らしい笑いと感動(?)を届けてくれるはず。だがしかし、ディープな「キノの旅」ファンは、この作品をどう思うのやら。
「キノの旅」からライトノベルに入った私の相方は、そんなに酷評せず。むしろ楽しんでいたので、悪いもんではない、と思います。
もう3巻が出てしまうので、早いとこ2巻も読む事にします。謎の美少女ガンファイターライダーキノの活躍は、まだまだこれからのようです。
本編に一切触れない感想文、これいかに。


評価:★★★★☆

宜しかったら押してください。やる気でます。



□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/05/23

電波女と青春男 2

4048678108電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス 2009-05-10

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あらすじ

E.T.ごっこして自転車で宙を駆け抜けた夜を経て。布団ぐるぐる電波女の藤和エリオが、ついに布団を脱ぐ決意をした…のはいいんだが。なぜ俺の傍を離れないんだ?え?バイトの面接に付きあえって?そしてなんでお前は、生まれたての雛が親鳥を見るような目をしてるんだ?うーむ、こつこつ貯めた俺の大切な青春ポイントが、エリオの社会復帰ポイントに変換されている気がする…。しかもそのエリオの脱電波系少女ミッションが一人歩きして。天然健康少女のリュウシさんとコスプレ長身美人の前川さんが俺の家に遊びに来たり(しゅ、しゅらーば)、みんなでロケット遊びしてる最中、女々さんの秘密と遭遇したり…。



レビュー

絶賛社会復帰中につき

叔母さんをプッシュし過ぎでしょう。もっと若い子をプッシュして、健全な青少年の妄想を駆り立てるような展開にして欲しいです。こんなんじゃラブコメを少々、なんてまだまだですよ。


本編は一見すると群像劇。しかしよく紐解いてみると、ミステリでもある。前半の出題編、そして後半の解答編。とまあ深く考えずにハーレム展開の階段を登りつつある主人公にカタルシスして、ニヤニヤするのが正しい楽しみ方。
社会復帰を志しつつも、まだまだ布団から抜け切れていないエリオ。黄色ヘルメットのリューシさん。コスプレしつつも魔性な前川さん。そんなお三方に囲まれてのお泊りイベントは読んでいて微笑ましかった。だが、そんな余韻も奪うくらい叔母さんが脚光を浴びすぎた。後半は、もう叔母さん主人公でいいですね。そしてラストエピソードの良い所まで持っていきやがりました。
良い話なんだけど、果たして40歳の叔母さんに青春の看板を預けていいものか。


次の巻は短編集だとか。もう少し若い子たちにも、良い出番を与えてやって欲しい。電波女と青春男、というお二方の甘々な話にしても良いと思う。もう1つのシリーズがあれげですから、こっちは、ね。
1巻の青春度合いが高くてヒートアップしたので、こちらは落ち着いた印象を受けた。悪い出来じゃないんですけどね。この先の展開が、どう転んでいくのが楽しみではある。


評価:★★★★☆

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/22

世界平和は一家団欒のあとに

4840237166世界平和は一家団欒のあとに (電撃文庫)
橋本 和也
メディアワークス 2007-02

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あらすじ

星弓家の兄弟姉妹は、みんな特殊なチカラを持っている。彩美。自称運び屋。魔法を自在に操る。七美。無敵。宇宙スケールで戦うバカ。軋人。生命の流れを思いのままにする。軋奈。生命を創り出す力を持っていた。美智乃。大食漢。回復魔法の使い手。刻人。正義漢。優しいけれど怪力。彼らは世界の危機をめぐる事件に巻き込まれ、否応なくそれを解決しなければならない星のもとに生まれていた。あるとき長男の軋人は自らと世界と妹の、三つの危機に同時に直面するが ―。世界平和を守る一家が織りなす、おかしくてあたたかい物語。第13回電撃小説大賞「金賞」受賞作。



レビュー

世界平和<家族平和

家族全員、個々が世界を守る能力を持った一家のお話。そんな設定を聞くと、全編通して超人バトルが繰り広げられるか、と思いきや。そんなことはなく。まさにタイトル通り、家族愛を描いた作品になっておりました。


家族全員が正義の味方なんて超設定なので、ギャグを前面に押し出している作品なんだろうなと思って読みました。ところがどっこい、シリアスな話が多かったり。
家族はみんな、それぞれに世界を守るために戦っているが。そこらへんは本編では深く追求せずに、あくまで家族間の問題を取り扱っている。悪役を軽めに描写して、スポットライトを家庭内に留めたのが、この作品のミソですね。
主人公が兄として、妹や弟の不信感や悩みなんかを払拭するために奔走する姿は、見ていて応援したくなる。


世界なんてどうなってもいいから、家族を守りたい。ということではなく、家族を守れなくて、どうして世界を守れようかと。
家族中が良好で円満だからこそ、世界を守る糧になるのだと思いました。
未消化のフラグをたくさん立てて終わりましたが。それが「俺たちの戦いはこれからだ」を良い意味で活用できていて良かった。困難とか苦行が必ず待ち受けている運命の一家。だけど一家団欒のあとに、必ず世界を守っていくんだろうなと。


評価:★★★★☆

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/21

ソードアート・オンライン 1 アインクラッド

4048677608ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
川原
アスキーメディアワークス 2009-04-10

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あらすじ

クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する―。謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン(SAO)』の“真実”を知らずにログインした約一万人のユーザーと共に、その苛酷なデスバトルは幕を開けた。SAOに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。クリア条件である最上階層到達を目指し、熾烈な冒険を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことに。その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし―。個人サイト上で閲覧数650万PVオーバーを記録した伝説の小説が登場。



レビュー

仮想現実が現実になった日

五感すべてをゲームの世界に移せるようになった近未来のお話。いわゆる仮想現実。そんなゲームの世界に閉じ込められ、ゲームオーバーと同時に現実の自分も死んでしまう。クリアするまでログアウトできないデスゲーム。


完成度が高くて褒めにくい。そして貶しにくい。
ただ面白かった。料理番組で「美味しいです」しか云えないダメなリポーターになった気分。


近未来の現実世界の中に存在する、仮想のファンタジー世界。その中で描かれる少年と少女の純愛。
日和ることなく、最前線に立ち、ゲームクリアを目差す。少年と少女、キリトとアスナの物語。
彼、彼女、その他大勢にとっては、もう仮想空間は仮想空間ではなくなっていたんだと思います。そこにあるものは確かに存在していて、触れる事が出来て、立派な現実になっていた。
仮想現実の中で育まれた愛が偽者だと信じられない。すべては現実になんだと。リアルとVRの垣根は、そんなに高いものじゃないのかもしれません。


1冊で綺麗にまとまっていたので、続刊がどのような内容になるのが気になるところ。
蛇足なんて云われないような出来だと良いですね。


評価:★★★★★

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/20

時の魔法と烏羽玉の夜

4840238456時の魔法と烏羽玉の夜 (電撃文庫)
在原 竹広
メディアワークス 2007-05

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あらすじ

普通の中学生である光田直日人はある日突然、トミーとジョニーと名乗る二人組の男にさらわれてしまう。なぜ自分がさらわれるのかわからない直日人に、返ってきたのは、「アンタは『魔術の血』だからな」という言葉であった。軟禁されていた直日人を助け出したのは、魔法を操る少女、烏羽玉窈子だった。彼女もまた直日人のことを『魔術の血』と呼んだ。わけがわからないまま、直日人は窈子に連れられて、烏羽玉家に行くことになったのだが…。在原竹広&GUNPOMが贈る期待の新作登場。



レビュー

現在から過去から未来へ、ツンツン

何で2年も経ってからシュリンクの包装を剥がしているのだろう、と読む前から悟りが開けそうになった、この1冊。
ヒロインのツンが堪りませんな。終始ツン。デレるかと思いきやツン。デレないまま終わった、ヒャッハァー。


お話自体は、どこにでも転がっていそうな設定。すべては収束するラストシーンのためにあります。終わりよければすべてよし、とまでは言い切りませんが、締めが良かった。
これで続編とか出たら肩透かしを喰らったことでしょうが、発行から2年が経っても出てないので、間違いなく1冊完結ものだと思います。ただ単に人気がなくて続きが、げふんげふん。


無駄な設定を省いて、シンプルでまとまりのあるお話なのは良いのですが。そこが没個性になってしまっているのかもしれません。なにかしらの抜きん出た癖みたいなものが欲しかった。
一方、王道路線だからこそ、素朴で良い味が出たのかもしれない。評価が難しいところ。
時間もの、魔法少女、なんてワードに引っかかる人にお勧め。


評価:★★★☆☆

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/19

電波女と青春男

4048674684電波女と青春男 (電撃文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス 2009-01-07

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電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

あらすじ

宇宙人が見守ると噂されるこの町で、俺の青春ポイント獲得ミッション(具体的には女子と甘酸っぱい高校ライフ大作戦)はスタートした。「地球は狙われている」らしい。同居する布団ぐるぐる電波女・藤和エリオからの引用だ。俺の青春ポイントが低下する要因であり、本ミッションを阻害する根源でもある。天然癒し系な爽やか健康娘・リュウシさんや、モデルさんもびっくりの長身(コスプレ)少女・前川さんとの青春ポイント急上昇的出会いを経たにもかかわらず、俺の隣にはなぜか布団でぐーるぐるな電波女がいるわけで…。…俺の青春って、一体どーなんの。



レビュー

これは、ある男の青春ポイントを賭けた闘いの日々である

驚きの白さ。自分は本当に入間人間の本を読んだのかと驚いた。みーまーちゃんを黒とするなら、こちらは白です。
こんなにもスカッとしたラノベは久しぶりに読んだ。青春してます。滝本竜彦(敬称略)の作品の主人公が、戯言成分を増しましにした結果が、これだよ。そして多量に放出される電波でんぱデンパ。むしろ清々しい。
夜明け頃の時間に一気に読み終えたんですが。小躍りしたり、ロフトベッドにぶら下って懸垂したりで、テンションがおっかなびっくりでした。


田舎から都会に引っ越してきた男子高校生の真。青春ライフを満喫しようと上京したのだが。その矢先に現れる、上半身を布団でグルグルに巻いた謎の物体。正体不明の地球外生命体かと思いきや、下宿先の叔母さんの娘、エリオだとか。薔薇色の学校生活は最初の一歩から躓き気味。


出だしから青春ポイントがマイナスへ傾いたけど、前向きにクラスの女子と仲良くなっていく真。だがしかし布団の中身が超絶美少女だと知ってしまう。エリオに極力関わらないようにしていた真だが、外見が良いものだから、否が応にも意識してしまう。そしてエリオが電波な事を語る理由を知ってしまい、その馬鹿ばかしい幻想をぶち壊しにかかるわけです。
エンディングまでの疾走感が堪りませんでした。


今回の主人公は青臭いキャラクターですが、語り口はみーくん側の戯言多め仕様。みーまーちゃんの文体でウンザリした人には突っつきにくいかもしれませんが、一読の価値はあります。逆に戯言遣いな文体が好物な人には、超絶美味です。
電波は多目ですが、これぞラノベ。青春してます。


評価:★★★★★

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/18

東京ヴァンパイア・ファイナンス

4048675192東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)
真藤 順丈
アスキーメディアワークス 2009-02

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地図男 (ダ・ヴィンチブックス)庵堂三兄弟の聖職

あらすじ

真夜中に出没し、超低金利で高額融資をする“090金融”ヴァンパイア・ファイナンスを営む“万城小夜”。今夜も獲物=融資客を求めて蠢く。送りオオカミをめざす“ひのけん”。性転換手術をしようとしている“美佐季”。振り込め詐欺グループに復讐を目論む“「やえざくらの会」の老人たち”。ドラッグ・デザイナーを辞めたがっている“しずか”。都会のアンダーグラウンドで息する彼らは小夜に出会い、融資をうけるかわりに自身の問題に首を突っ込まれるが…。債務者それぞれ衝動や欲望をフルスロットルにし、ひしめきあって無限に増殖する狂騒のハードスケジュール群像劇。



レビュー

ヴァンパイア・ファイナンスのご利用は計画的に

タイトルを見て、また吸血鬼か、と暫く積んでいました。
挿絵が佐々木少年で吸血鬼ものとか、狙いすぎじゃないかな、と。
いざ読んでみると面白かった。というか、吸血鬼自体は登場しません。

090金融、というヤミ金ながらも、トレイチ(10日で0.1割)なんていう良心規定にホイホイ釣られた人たちの群像劇です。
4組の登場人物たちが、万城小夜を中心に、別々のストーリーを展開していきます。


成田良悟(敬称略)の群像劇は、最終的に1つに収束していくのが爽快ですが。この作品は、そういうことはなく、個々のエピソードが独立していると考えていいでしょう。その点を踏まえると、最後のまとまりが少し消化不良。
取り扱っている内容も、090金融、ドラッグデザイナー、振り込め詐欺、性転換、等々とティーン向けレーベルとして扱いが難しいところ。
内容が面白かっただけに、挿絵に引っ張られてライトノベルに昇華してる、という点がもったいない。一般向けがお似合いだと思いました。伊坂幸太郎(敬称略)みたいな雰囲気ですかね。


読者層の年齢が上がってきているライトノベルですから、電撃小説大賞の選考委員が、この作品に銀賞を与えてみたのは面白い試みかもしれません。
批判的な意見を盛り込んでしまいましたが、読んで損はないです。


久しぶりに電撃文庫の著者近影で、本人を見た気がする。あと4冠、てすごいですよね。


評価:★★★★☆

宜しかったら押してください。やる気でます。


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2009/05/17

アクセル・ワールド 1 黒雪姫の帰還

4048675176アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
川原
アスキーメディアワークス 2009-02

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ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)


あらすじ

どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。デブな中学生・ハルユキもその一人だった。彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。仮想の自分を使って“速さ”を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女“黒雪姫”との出会いによって、彼の人生は一変する。少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは“加速世界”の存在を知る。それは、中学内格差の最底辺である彼が、姫を護る騎士“バーストリンカー”となった瞬間だった。ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞「大賞」受賞しデビュー!実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場。



レビュー


加速した、この物語を誰も止めれらない

近年の傾向を踏まえて、電撃小説大賞の大賞受賞作を、あまり期待はしていません。でした。過去形です。
ミミズクと夜の王、のような良作がたまに出る大賞受賞作ですが。全体を通してみると、可もなく不可もなく、という印象が近年の傾向だと思います。普通に面白い、と決して良い意味では使われない普通を使わざるえません。
今回、第15回電撃小説大賞の大賞を受賞した、今作。帯に川上稔(敬称略)のコメントがありますが、それを丸々引用させていただきます。

「信頼できる内容です!」

この一言に尽きると思います。


世界観は近未来。攻殻機動隊で描かれた電脳化を、ニューロリンカーと呼ばれる機器を首に装着、脳と無線接続するだけで可能とした技術が登場します。
主人公はデブで卑屈な男子中学生のハルユキ。オマケにイジメられっ子。テンプレですね。
半分が仮想世界に依存するような世界観なので、もっぱらヒロユキはバーチャルの世界に引きこもりがち。そこに現れた黒雪姫なる人物が、ブレイン・バーストと呼ばれるアプリケーションをヒロユキに与えることで、物語が流転していきます。
意識を加速させるブレイン・バースト。それを維持するためにはポイントを得なければいけなく、作られたバトルフィールドを勝ち抜かなければならない。


本筋は少年・少女の仮想空間でのバトルですが。その根本にはプログラムがあり。それは誰かが作ったというなります。
熱いバトルを繰り広げつつ、作られたバトルロワイアルの正体を暴いていくのが、この作品のミソだと思います。少年漫画的ですね。
客観的に見ると、ハルユキのキャラクターは人を選ぶと思われます。キャラクター小説であるライトノベルで、ハルユキのキャラクター性は賛否両論でしょうね。


巻末の川上稔による特別短編が一番面白かったのですが、邪道ですかね。
設定解説は誰が見てもカッコイイです。それこそ信頼できる内容ですね。


評価:★★★★☆

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2009/05/16

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 7 死後の影響は生前

4048677594嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈7〉死後の影響は生前 (電撃文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス 2009-04-10

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)


あらすじ

突然ごめんあさーせ。
嘘つきさんが舞台から退場して、どれくらい経ったかしら。私、嘘つきさんに代わって、『物騙り』を任命されたものですの。何で私なのかしら。認めたくないのだけど、きっとあの嘘つきさんとよく似ているからでしょうね。
では些か僭越なのだけれど、これから我が平和な町で起こった愉快な殺人事件をご紹介するわ。
……あら、自己紹介がまだだったかしら。
私の名前は大江湯女。
騙り部であり、誰よりも自らを知るアンノウンな十八歳であーる……嘘だけど。うーん、私にはまだまだ使いこなせないわね、これ。



レビュー


戦慄の第二部 ユナ・オーエのライアー・ストーリー、ここに開幕

前回、シリーズ完結かと思わせる展開で終わった、この作品。
読んでみると、時間が幾分か経過した、物語の導入。
四巻で登場した、みーくんの鏡写しのような人物・大江湯女が、ちゃっかりと主人公に着任。
タイトルの二人を置き去りにしてではあるが、内容に差異はなく着々と進行。


差異はありません。中身があるんだか、ないんだが。意味深なようで、どうでもいいことのようなものが詰め込まれていて。暴力描写がありありで。人が死んだり、そして人が死んだりします。


電撃文庫の裏看板でも狙えるのではないかという具合に、このシリーズは人を惹きつけるものがあるような気がします。
至極個人的な内世界で評価してやりたい作品です。
だって、これを声を大にして絶賛したら変な人に見られるかも、じゃないですか。好きなんですけどね、実際。


スプラッタな内容なのに、出てくるキャラクターが魅力的なのが罪作りですね。
我らがまーちゃん。幸薄い元カノ。無口を通り越した手帳会話キャラ(巨乳)。刃物は友達、妹。
あと今回、大江湯女にも目覚めそうになりました。主人公補正ってやつですね。おー、怖いこわい。


ずっと読んでいたいけど、綺麗に終わってもほしかった、そんな感慨。


評価:★★★★★

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2009/05/15

放課後限定勇者さま。

4048678140放課後限定勇者さま。 (電撃文庫)
七飯 宏隆
アスキーメディアワークス 2009-05-10

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神様のメモ帳 (電撃文庫)神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)

あらすじ

『将来の夢はニート、もしくは引きこもり』である人生マイペース主人公・格里終夜は、なぜか突然異世界に召喚された。そして、いかにもファンタジー世界な宮殿の中で、露出が激しい装備品を着けた美少女から、「ともに魔王を倒してくれ」と誘われた。よくよく話を聞いてみると、どうやらぼくは勇者らしい…って、なんだ、このベタな展開は!?今日びゲームでもそんな展開は飽きられてるってのに…。てか、ぼくはただのニート志望の高校生なんだけど。―そんなニート“勇者”が世界を救う!?学園×異世界で贈る露出系ハイブリッドストーリー。



レビュー

勇者も、ある意味ニート すなわちニートは勇者

後ろ向きに元気な主人公・格里終夜が異世界に召喚されてしまう。さあ、大変。
どうやら、終夜は勇者らしい。そして終夜を召喚したレウルーシカも勇者らしい。
4人の勇者で力を合わせ、魔王を倒さないと世界が大変なことになってしまう。さあ、残りの勇者を探す物語のはじまりだ。


今月は5冊も電撃文庫から新作が出ました。散々悩んで、買ったのは、この1冊だけ。
何か読まないといけないようなオーラを感じました。ニート、という単語に過剰反応しただけかもしれません。神様のメモ帳とか大好きですから。


ベタベタの異世界召喚ものかと思いきや。そこは電撃文庫。日々、業界に斬新な風を送る電撃文庫です。捻りがありました。
捻りがあったと思いきや、やっぱりベタだった。どっちだよ、と。


前半はコメディで進行して、後半はシリアスに突入しました。
コメディパートでキャラクターに愛着を持った分、後半のシリアスパートは燃える展開です。
何やら続きそうな雰囲気でのエピローグ。ですが1冊で綺麗に纏まっていたので、読後感は悪くなかったです。
むしろマンネリな異世界召喚ものだ、と斜に構えて読んでいたのに、途中から物語に引き込まれていました。


評価:★★★★☆

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2009/05/14

神のまにまに!―カグツチ様の神芝居

4048677667神のまにまに!―カグツチ様の神芝居 (電撃文庫)
山口 幸三郎
アスキーメディアワークス 2009-04-10

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あらすじ

頭上に“ヘッポコ”様なる可愛い(?)神様が取り憑いている品部人永は、そのせいで女の子にモテない不幸な人生を送っていた。そんな人永のもとに、ある日政府から美人な才媛・高峰小町が派遣されてくる。曰く、雲隠れしてしまった八百万の神々を探してほしいのだという。強制的に、小町が所長を務める『やおよろず神議会』に所属させられてしまった人永。小町の色気に逆らえず、ある温泉街に神様探しに向かうことになる。そこで人永とヘッポコを待っていたのは、神様らしからぬ気さくな女神様で―?可愛い神様ヘッポコ様が大活躍!?第15回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞作。


レビュー

八百万の神々の一斉ストライキ

20年前に突如として現代の日本に現れた神様たち。そんなとんでも現象も落ち着いたある日に、突如として神様たちが一斉決起。
働きたくないでござる、の波紋が神様たち全体に広がり、あろうことか雲隠れしてしまう始末。
働きたくないならしょうがない、というわけにもいかない問題が表れる。神様がいないと国内の産業に問題が生じてしまうらしいのだ。
そこで政府は、ある男に、この問題の解決を依頼する。神様が頭上に取り憑く男、品部人永に。


第15回電撃小説大賞の受賞作一覧を友人と眺めた際、「語り部じんえい」が気になると、友人がプッシュ。
じゃあ、刊行されたら買いましょうかね、となっていた今作。
いざ刊行予定を見るとタイトルが変わっていました。まにまに!


頭の上にかわいらしいけど、何の役にも立たない神様を幼少時代から乗っけている主人公。
そこに政府から派遣された美人なお姉さんが現れる。女好きの主人公は、あれよあれよというまに懐柔されて、雲隠れした神様を探すはめになる。
どうやら頭上の神様”ヘッポコ”が、雲隠れした神様を探すレーダーになるらしいのだ。


全体を通した印象として、地の文は良かったと思う。
語り部の冠を与えても遜色ない内容だった。
ただ、ヘッポコの正体や、問題を解決に導くクライマックスの押しが弱かった感が否めない。
物語の雰囲気は良かったので、少し残念。続きが出たら買うかは微妙な所。
作者の次回作に期待したい。


評価:★★★☆☆

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2009/05/12

狼と香辛料〈11〉Side Colors2

4048678094狼と香辛料〈11〉Side Colors2 (電撃文庫)
支倉 凍砂
アスキーメディアワークス 2009-05-10

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あらすじ
ロレンスたちが港町レノスで出会い、その後ケルーベまで追いかけることとなった、美しき女商人エーブ。貴族であった彼女が、いかにして今のような商人となったのか──? “もうひとりの狼”エーブの過去を描く読みごたえ満点の書き下ろし中編『黒狼の揺り籠』。
ホロとロレンスが立ち寄った村では、村人たちが諍いを起こしていた。それを解決するため、ホロが思いついたとんでもない方法とは!? 旅の途中の事件を切り取った短編『狼と黄金色の約束』。
ある晴れた日に、一枚の地図を見ながらホロとロレンスが思い立った素敵な寄り道を描く短編『狼と若草色の寄り道』。

レビュー
記念すべき第一回から続き物の最新刊。
06年に刊行された第12回電撃小説大賞の銀賞受賞作「狼と香辛料」も、近作で11巻目。
今では電撃文庫の看板作品ですね。今年の夏からアニメの第二期も始まる事ですし。

今回は短編集ということで、前半二つはロレンスとホロの甘ったるいお話。後半はエーブの過去のお話。
前半二つは、甘すぎて胸焼けするかと思いました。それに反して後半の話は壮絶だった。

本筋はロレンス、といういわゆるおっさんが主人公なわけだが、後半の短編『黒狼の揺り籠』はエーブという妙齢のお嬢さんが主人公なわけでして。
没落貴族であり、いいとこのお嬢さんだったエーブが商人の世界で生きていくために歩み始めた過程を描く物語でした。

本筋では”狼”と称される敏腕商人として登場したエーブ。ロレンスを翻弄する力量はとてつもないものでした。
しかし、この短編。エーブは、まだまだひよっこ商人であり。騙す騙されるの商人の世界を右往左往、と翻弄されていました。
いかにして本筋のエーブに至ったのか。それに尽きる内容。
もちろん今回のエーブの短編は始まりに過ぎないわけで。5巻初登場時までに歩んだ工程は、想像するだけでぞっとしないです。
もう一度、エーブ初登場の話から読み直したら、かなり印象が違うのだろうな。


あとがきで触れられたノーラの短編150枚が放置されているのが非常に気になる所です。
ノーラはいいものです。


評価:★★★★☆

宜しかったら押してください。やる気出ます。

□電撃文庫 | Comments(0) | Trackback(0)
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